2017年06月04日(Sun)

6.4オール埼玉総行動での伊藤千尋さんのスピーチ

本日、埼玉県北浦和公園で開かれた「6.4オール埼玉総行動」をツイキャスで見ていたら、
ゲストスピーカーの伊藤千尋さん(国際ジャーナリスト・九条の会世話人)のスピーチが素晴らしかったので、
全文を書き起こしてみました。

ツイキャス配信は足立英作さん。録画はこちらで公開されています(1:26〜1:39位)。
http://twitcasting.tv/7l2cnc/movie/377427440

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みなさんこんにちわ。立憲主義をとりもどす、この日にここへ集まったみなさん、ようこそいらっしゃいました。
立憲主義がなくなったらどうなるのか。僕そういう社会を経験しているんですよ。あのアメリカの9.11です。僕がアメリカの特派員で赴任したのが2001年の9月1日でした。行ってすぐにあのテロが起きたのです。そうしたらあのアメリカの社会がどうなったか。あっという間に「愛国社会」に変わりました。街を見ると、どの家を見てもどのビルを見ても、アメリカの国旗星条旗がひるがえっている。街を歩く人はみんな星条旗のバッジをつけて歩く。そして街を走る車は国旗をつけて走る。あっという間に「愛国社会」に変わった。たった3日ですよ。それを見て「日本ならたった1日で変わる」と思った。
そういう中で、我が家も盗聴されました。電話を取るとツー、カーと変な音がするんです。そして話をしている最中にも何か変なピーピーと言う音がする。ある時、相手と話している時に僕こう言ったんです。「今この電話盗聴されてんだよ。俺を盗聴している人、俺なんか盗聴しても無駄だからね。」こう言ったらそのとたん電話が切れちゃった。まだ話している最中にですよ。あきらかに盗聴しているわけです。日本人の電話を盗聴しているということは、アラビア系の人、それから中国・ロシア系の人、おびただしい人を盗聴しているわけですよ。こんな監視社会が、あっという間にあのアメリカの9.11でやってきました。物が言えない社会。しかし、物が言えない社会を変えたのは「ものを言う人々」だったんですよ。(会場拍手)

当時のブッシュ大統領が出したのが、戦争する権限を大統領に一任する、という法律でした。これをアメリカでは「戦争法」と言ってます。この戦争法に対して、議会でたった一人だけ反対した議員がおりました。バーバラ・リーという名前の野党の、女性の、黒人の議員です。彼女がたった一人だけ反対した。その時彼女は「非国民」と呼ばれました。「アメリカから出て行け」「議員を今すぐ辞めろ」と言われた。その彼女が自分から人前に出て行って、なぜ自分が反対に一票いれたのか、その説明をして回りました。その結果、変わったのは有権者の方だった。1年後、彼女の改選の時期か来ました。彼女、立候補しました。この人が立候補して通るわけがない、って思われていましたよ。しかし、その開票の日、夜になって開いた票を見て僕はびっくりしたんです。彼女は勝っちゃったんですよ。勝ったどころか、対立候補の4倍の票を取りましたよ。(会場拍手) 彼女が今までとった事の無い票ですよ。こういう人がアメリカを変えた。

彼女だけじゃない。例えばあの時、連邦警察が全米に散って、人々を盗聴しようとしました。その時に、カリフォルニアの警察署長が抵抗したんですよ。警察署にFBI−連邦警察の職員がやってきて、協力して欲しい、という風に言ったら、カリフォルニアの警察署長はこう言いました。「警察の役割は、市民の安全を保障することだ。安全は身体だけではない、精神の安全もそうだ。盗聴なんかしたら、市民の精神は安全でなくなる。そんな、憲法に反する事に、警察署は協力できない。」って言った。(会場拍手) これがアメリカの警察ですよ。日本とだいぶ違うと思うんだが。

兵士もそうだったんです。アフガンの爆撃を始めました、その時に、横須賀の駆逐艦がアフガンに行って爆撃したんです。その時に艦内放送があったそうです。「みんな喜んでくれ。今撃ったミサイルが目標に命中した。」と言ったら駆逐艦の全員がわあっと沸いたそうですよ。しかしその中でひとり「ちょっと待てよ。だったら今まで撃ったミサイルはどこに命中してたんだ?」(会場笑い)この人は非常に正しい感覚を持っていた。この駆逐艦が横須賀に帰って来た時に、横須賀の埠頭で、プラカードが立っていた。日本人の労働組合の方でしょう。「アフガンの爆撃に反対」というプラカードです。それを見たときに、この人は「おや?」と思ったんですよ。というのは、上官から聞いていたのは「日本人はみんなアメリカの戦争に賛成している」と聞いたからです。「違う人がいるんだ」目の前にプラカードがあるわけですよ。この人は横須賀のコミュニティ、港に着いて、そして調べてみたんですね。今まで我が駆逐艦から撃ったミサイルが何に命中したか。それは民家であり、病院であり、学校であった。この戦いはおかしい、と言って、その次に今度はイラク戦争に行けと命じられた時に、彼はそれを拒否したんです。1枚のプラカードが、日本人のプラカードが反戦兵士を生んだんですよ。(会場拍手) プラカードに意味はある。(会場拍手) アメリカで最初の反戦将校は、日系人アーレン・ワタダという中尉でありました。「この戦争はいけない戦争だ。アメリカの憲法が認めている戦争ではない。そんな戦争に大統領が行け、という時、兵士は、NOというべきである。それが憲法が私たち軍人に命じたことである。」彼は言ったんです。そういう人々がアメリカを変えてきました。
アメリカは5年で変わりましたよ。アメリカの壊れた立憲主義は5年で回復しましたよ。でも、アメリカは変わったんじゃない、変えたんですよ。変える人がいたから変わったんです。ただ自然に変わったんじゃないんですよ。(会場拍手)

変わったのはアメリカだけじゃない。隣の韓国がそうじゃないですか。去年の秋、おびただしい人が街に繰り出しましたよね。10月29日、ソウルの光化門広場に集まったのが3万人。その1週間後、20万人。その1週間後、100万人。その1週間後、100万人。その1週間後が、150万人。そして第6回目、12月に入ったら、232万人ですよ。これだけの人が集まって、その結果あの大統領が弾劾されて、ついに今牢獄ですよ。あのパククネという大統領、去年の春までは「選挙の女王」と言われていたんですよ。安倍首相と同じ。ものすごい支持率だった。永遠にこの人の政権が続くかと言われていました。それが、たった1回の民衆の行動で、地に落ちましたよ。だったら安倍だって落とすことができる。(会場拍手と歓声)
あの力が何故生まれたのか、僕調べてみました。そうしたら韓国の人からこう言われました。「それは日本の力です。きっかけは日本だ」と言うんですよ。その1年前、2015年、国会前の12万人。あれを見た韓国の人々が「日本人はがんばっているぞ。俺たちもがんばろう。」これがきっかけだ、と言うんですよ。(会場拍手) 私たちの運動は、海を越えて韓国に影響して、韓国の政権を引きずりおろしているんですよ。自信を持っていい。

とはいえ、あまりにも人数が違うじゃないですか。(会場笑い) 12万と232万。なぜこんなに違うのか。僕調べてみたんですね。二つ理由がありました。一つは歌ですよ。韓国の集会は歌が出てくる。去年の集会では「下野ソング」というのが出ました。「下野、下野、下野」野に下れ、パククネ野に下れ。「下野、下野、下野」と調子が良いんです。みんなすぐに覚えちゃう。こういう歌を歌う。韓国の記者が言っておりました。「日本の集会は誰かが出てしゃべる。次の人が出るまでしーんとしている」(会場笑い)韓国の集会は誰かがしゃべってしーんとする間に歌を歌う。それで盛り上がる。また人が言って、盛り上がって、また歌がある。どんどん盛り上がるわけです。ここが日本と違いますよ。韓国の歌、下野ソングだけじゃないですよ。ちょっと前に狂牛病という問題がありました。アメリカの危険な牛肉が韓国に入ってきました。そのとき韓国では歌が作られました。それは「大韓民国憲法第一条」という歌です。憲法第一条、それは「大韓民国は民主主義共和国である。すべての権力は国民に由来する」この条文にメロディを付けて歌った。「大韓民国憲法第一条」これをみんなで歌った、その力が政府に対する圧力になった。歌ですよ。歌を歌って盛り上げて行こうじゃないですか。(会場拍手)

それだけじゃないですよね。もうひとつ。韓国ではスマホというものが活躍するのですよ。(会場笑い)韓国の集会に行くと、スマホで画像を撮ってそれをインターネットで配信する。それを見た人が「お、なんか面白そうだ。自分も行ってみよう。なんかにぎやかだ」というので行ってみる。これでものすごい人数になったんです。スマホのおかげですよ。この中でスマホを持ってない方。(会場笑い) 今手を上げた方は、この集会が終わったらすぐにスマホを買いに走りましょう。(会場笑い) いや、そんなこと言ったって使い方がわからない、という人は若者に習えばいいじゃないですか。そして「ちょっと集会に一緒に来て。そしてその場で使い方を教えて」と言えば、集会の人数も増えるじゃないですか。(会場笑いと拍手)
韓国の人々はメディアを信用していないんです。新聞もテレビも。だったら自分たちで発信しよう。今どき、インターネットという自分たちで使えるメディアがあります。それをスマホというものを武器にして、使うんですよ。発信する。自分たちで発信する。そうするとたくさんの人が集まる。集まったらそれを、新聞もテレビも報道せざるを得ないじゃないですか。自分たちでメディアを動かす。これが韓国の人たちのやり方であり、それがあの大統領の退陣に結びついたんですよ。私たちもその動きにならおうじゃないですか。(会場拍手)

いや、そんなことを言っても日本じゃ難しい、と思われるかもしれない。この3月に僕、沖縄に行きました。沖縄の宮古島に行ったんですね。ここでこんな話を聞きました。宮古島で2005年に、あそこに飛行機の滑走路が2本ある、そこに自衛隊を誘致しよう、と言う事を地元の町の議会が、緊急動議、かつ強行採決で決めちゃった、というんですよ。その時に、反対する議員はどうしたかというと、「おかしいじゃないか。まだだって町民の賛同も得られていない。話し合いもしていないのに、いきなり緊急動議で強行採決する。これが民主主義か。おかしいじゃないか」と言った。そしたら強行採決をした議員たちは何と言ったか。「そんなこと言ったって決めちゃったんだ。もし反対をするというのなら今すぐここに町民を何人かでも集めてみい」こういう事を言ったんですよ。言われた方はどうしたか。車にスピーカーを積んで、町中を駆けずり回った。2時間後、この町の体育館に集まったのが3500人ですよ。(会場拍手) 3500人が集まって、この強行採決をした議員たちに、ひとりひとりその意図を聞いた。そうすると議員たちはしどろもどろになって、ついに最後にですよ。16人の議員ひとりひとりに「じゃあ、あんたらはどうするんだ」と聞いたところ、16人のうち15人が「申し訳ありません。白紙撤回します。」と言っちゃったんです。その翌日の新聞に「自衛隊誘致白紙撤回」というのが大きく載りました。その時に感動した人がいます。それは、地元の宮古島の9条の会の女性です。僕彼女に聞いたら、彼女こう言ったんです。「私はその動きを察して、数日前から、この宮古島のその地区に入って、人々に説いて回った。自衛隊を誘致するという動きがあります。皆さん注意してください、と言ったんだけれど、誰も聞いてくれない様に思えた。ところが今、目の前に3500人が集まっている。たった2時間で。誰も聞いてないように思えたけれど、実は声は届いていたんだ。訴えは聞かれていたんだ。」と言うんですよ。皆さんも、9条を壊すな、という声を、スタンディングなんかやって、目の前をすーっと人が通っていく、ああ何も聞いていないな、と思うかも知れないが、聞いているのですよ。(会場拍手) 彼女は言った。「大切なのはあきらめない事です。私たち自身が行動することです。その訴えは必ず届いています。それを信じてがんばりましょう。」彼女はそう言っておりました。その通りですよね。(会場拍手) 

今、国連で、核兵器を廃止する、という交渉が進んでおります。それを進めているのは、同じ平和憲法を持っている中米のコスタリカという国ですよ。このコスタリカは、日本よりも2年遅く平和憲法を作ったにも関わらず、本当に軍隊を無くして、そして今、世界に平和を進めるその先頭に立っている。これは本来なら私たち日本がやるべきことじゃないですか。(会場拍手と歓声) ところが今の安倍政権はこの交渉に、参加もしていない。アメリカに従属する、という方向そのままですよ。これが「経済大国」のやることですか?本来の、平和憲法を持っている私たち、そして、国際社会に崇高な地位を占めたいと思う、その私たちが、今すべきなのは、私たちが先頭に立って、この社会を平和にしていく、とりあえず日本を平和にしていく、そういう行動じゃないですか。私たちの行動は、単なる反対運動ではありませんよ。この日本に民主主義を取り戻す行動ですよね。と、同時に世界に平和を取り戻す、世界を平和にする、そういう行動ですよ。皆さん、誇りをもってやっていきましょう。ありがとうございました。

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2015年09月20日(Sun)

小樽でのスピーチ

2015年9月19日、安保法案が可決成立した(とされている)日に開かれた「アベ政権は今すぐ辞めろ!小樽緊急アクション」集会をツイキャスで聞いて居た時に、すばらしいスピーチに出会ってしまったので、思わず文字に書き起こしてしまいました。ジーンズショップ店主の平山さんという方です。落ち着いた語り口ながら、秘めた怒りと決意が伝わってきます。
saori_freespace さんの配信で、13:45くらいから。ぜひ聞いてみてください。

※自己紹介と前置き部分は省略。句読点、段落、()内の語句は、私が勝手に入れました。


 私にとって一番大事なものは自由です。私は自由に、自分らしく、自分として生きたい、と思っております。そして、それと同じくらい大事なことは、ここにいる皆さん方が、ひとりひとり、自由で、皆さんらしく、皆さんとして、生きていただきたい。自分だけが自由であるというのは、私は本当の自由ではないと信じます。そしてそれは、日本国憲法が掲げる崇高な理想だと思います。私が考える、その為の最低限のきまりごとは何か。自分がされたら嫌なことは他人にしない。これです。小さいものはですね。陰口を叩かれたら私は傷つきます。だからひとの悪口はなるべく言わないようにします。最大なものは、殺されたくないから、殺さない。誰も殺したくはありません。私は殺されたくはない。なので殺さない。それが、自分と他者の、自由を保障する、最低限、かつ普遍的なルールだと思います。そして、それは、他人に対して、敬意を持つという気持ちの源だと、私は思います。理解し合えないのはしょうがない、友達になれなくてもしょうがない。でも、その人たちへの敬意を、私は忘れないようにしたいと思います。

 安倍晋三、名前を言うのも嫌なんですけど、安倍晋三をはじめとする与党政治家、与党とつながった官・財・学・マスメディアなど、この国家の支配者層に共通するのは、他者、とくに自分たちと考えが異なる他者への敬意の根本的な欠如です。いまや、彼らはそのことを恥ずかしいとも、間違っているとも思わず、開き直っています。醜悪です。私たちは、みっともなくて、不完全で、間違いばかり繰り返す存在ではあります。しかし、ものごとには限度があります。私の好きなコラムニストで山本夏彦さんという方がいらっしゃいまして、その人の言葉で「我々は、我々以上の議員を持つことはできない。」とおっしゃいました。本質を突いていると思います。しかし私は同時に「我々は、我々以下の議員を持たなくてはならない義務は無い。」私はそう強く思います。自分たちの都合の良いように選挙制度をもてあそび、都合の悪いことは公約集の誰も読まないところにこっそり書くだけで、だんまりを決め込み、嘘に嘘を重ねて、我々から奪い取った国会の多数で、彼らは憲法を蹂躙しました。奴らは、我々以下です。下の下の人間です。人の痛み、暮らし、命、人が生きるということを想像できない、する必要もないと考える人間たちです。

 私は無力かもしれません。それでも私は、その無力を抱えながら、私に何ができるか問い続けます。ここで宣言できるのは、今まで一度も入れたことはないですけれど、自民・公明には投票しない。彼らが、奴らがやったことを忘れない。そして、見てみぬふりはやめることです。戦争法案(だけ)ではないと思います。沖縄の基地、原発、食料、雇用、TPP、教育、安倍晋三たちがやろうとしていることの根っこはひとつです。それは私たち、彼らが見下している、被支配者層の暮らしを犠牲にして、もはや経済成長が過去の幻となった21世紀に、自分たちの既得権益をひたすら守ろうとする、保身と、我欲です。アメリカの支配者層がその後ろ盾です。全部つながってます。近所の子供たちが、学校で抱える痛み、最低賃金で働く非正規雇用の皆さんの痛み、生活のために働いて子供たちと一緒の時間が作れないお母さんたちの痛み、景気が悪くて売り上げが落ちる一方の自営業者の痛み、私です、後継者がいない農家の皆さんの痛み、福島の痛み、沖縄の痛み、それらも全部が、私たちがこうして生きていることとつながっていると、想像し続けられるかどうか、手を差し伸べられる時には差し伸べることができるか、誰か偉い人がなんとかしてくれる、という私たちの内なる「お上意識」を捨てて、大切なことは誰かに委ねない、自分の手でつかむ、それができるかどうか、自由と民主主義を本当に私たちのものにできるかどうか、問い続けたいと思います。

 8月30日、国会前の12万人をはじめ、全国で多数の人々が、安倍晋三たちを政権から引き摺り下ろすために集結した時、安倍のお友達のハシモトナニガシは「国民の1%に何ができる」と言いました。私は、そしてここに集まっている皆さんは、数字ではありません。36度の体温を持ち、考え、行動する個人です。私は無力かも知れません。でも36度の体温を37度に上げて、怒りをもって安倍晋三たちに、目に物をみせてやろうと思っています。私の自由を、皆さんの自由を、本当の自由を守るためです。

 ご静聴ありがとうございました。


posted by tsurudep at 04:37 | Comment(0) | 書き起こし